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八つの(ほこり)

 元来埃は吹けば飛ぶ程些細なものである。早めに掃除さえすれば、たやすく綺麗に払えるが、ともすれば積もりやすくて、油断をすればいつしか、うずだかく積もり重なり、遂には、掃いても拭いても、取り除きにくくなるものである。

よろづよにせかいのところみハたせど あしきのものハさらにないぞや   一 52

一れつにあしきとゆうてないけれど 一寸のほこりがついたゆへなり    一 53

心遣いも、銘々に、我がの理として許されてはいるが、親神の心に添わぬ時は、埃のように積もり重なり、知らず識らずのうちに、心は曇って、本来の明るさを失い、遂には手もつけられぬようになる。かかる心遣いをほこりと教えられ、一人の埃は、累を他に及ぼして、世の中の平和をみだすことにもなるから、常によく反省して、絶えず埃を払うようにと諭されている。

この埃の心遣いを反省するよすがとしては、次のように教えられている。

 

おしい

すたり行く物を惜しむのは宜しいなれど…

心の働き身の働きをおしみ、租税やかかり物を出しおしみ、国のため・道のため・人のために身分相当の勤めを欠き、借りている物を返す事をおしみ、穢(きたな)き事を人にさして、自分は楽をして暮らしたい心、全て天理に叶わない出し惜しみ・骨惜しみの心遣い。

ほしい

値をもって欲しいのは宜しいなれど…

心も尽くさず身も働かないで居て金銭を欲しがり、分を忘れて良いものを着たがり、良いものを食べたがり、女を見ては女を欲しがり、男を見ては男を欲しがり、着物でも、あるが上にもことさら選り好みして欲しがる心は宜しくありません。ちょうど咲いた花を折って生け花にする如く、一時は楽しめるなれどもしばらくの内には、花は散って自然に枯れるようなものであります。何事もたんのうの心を治めるが肝心であります。

にくい

罪を憎むのは宜しいなれど…

我が身のためを思って言ってくれる人を反って悪く思ってその人を憎み、養子を憎み、嫁を憎み、人の陰口を言うて誹り笑い、その場で出来た罪を憎まず人を憎むは埃であります。

かわい

隔ての無いかわいいは宜しいなれど…

我が身さえ良ければ他人はどうでも良い、我が子の愛にひかされ、食べ物、着物の好き嫌いを言わせ、うそを言う事まで教え、又、今日は雨降る、寒いと言って学校を休ませ、男の子も女の子も仕事の仕込む時分に気ままに遊ばせておくのは宜しくありません。我が子の愛に引かされて、悪しき行為も意見せず、我が身を思って人を悪く言うのは埃であります。我が身我が子がかわいければ人の身・人の子を可愛がらなければなりません。

うらみ

我が身・我が心の至らぬ処をうらむのはよろしいなれど…

我が顔をつぶされたと言って人を恨み、我が望みを妨げたと言って人を恨み、誰がどう言ったと言って人を恨み、意趣に持ち、銘々知恵・力の足らないことや徳のない事を言わないで人を恨むのは宜しくありません。みかぐらうたに、

 なんぎするのもこころから わがみうらみであるほどに十下り目7

と、ありますから、人を恨まず自分の身を恨むがよろしゅうございます。

はらだち

理や非を立てて、腹を立てないようにするのは宜しいなれど…

腹の立つのは気ままからであります。楽過ぎるからであります。心が澄まないからであります。人が悪い事を言ったと腹を立て、誰がどうしたと腹を立て、己の理を立て人の理が入らないから腹が立つのであります。これからは、腹を立てず、理を立てるようにするのがよろしい。癇気・癇癪(かんしゃく)は、我が身の徳を落とし、我が身の生命も損なう事があります。

よく

至当の欲は宜しいなれど…

人のものを盗み、人のものを盗り込み、人をだまして利をかすめ、人の目を盗んで桝目秤目尺目をかすめ、女に迷い、男に狂い色に耽るは色欲、人のものをただ我が身につけるは強欲、これ皆埃であります。

こうまん

自分の知っている事を人に教えるのは宜しいなれど…

力が無いのに我が身を高ぶり、人を眼下に見下し、金持ちは金の力を以って人をたたきつけ、役人は上目に媚び、下の方を苦しめ、己は、力は偉い、己は賢いと思うから、人をあなどり、人を踏みつけにする。知らない事を知った顔をして人を見下し、人の欠点をさがす。これがこうまんの埃であります。

又、「嘘(うそ)と追従(ついしょう)これ嫌い。」と戒められている。

親神は、これらの心遣いをあわれと思召され、身上や事情の上にしるしを見せて、心の埃を払う節と無し、人々を陽気ぐらしへと導かれる。

せかいぢうむねのうちよりこのそふぢ 神がほうけやしかとみでいよ    三 52

めへめへにハがみしやんハいらんもの 神がそれそれみわけするぞや    五 4

めへめへの心みのうちどのよふな 事でもしかとみなあらわすで      十二 171

これみたらどんなものでもしんぢつに むねのそふぢがひとりてけるで   十二 172

即ち、いかなる身上の障りも事情のもつれも、親神がほうきとなって、銘々の胸を掃除される篤い親心のあらわれと悟り、すべて、現れてくる理、成って来る理をよく思案するならば、自ずと、心の埃を払うようになる。かくして、埃さえ綺麗に掃除するならば、あとは珍しいたすけに浴して、身上は病まず弱らず、常に元気に守護頂ける。

ほこりさいすきやかはろた事ならば あとハめずらしたすけするぞや

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