キョウフクマンの失敗談。
それは、まだ私が、キョウフクマンになりたての頃、祭典の賛者を急にやる事になった。
練習ではきっちり出来ている祭儀式も、急にやるとなると結構あがるものである。
賛者というのは、扈者という祭官に祭文を渡す役目があるのだが、
あがりまくっていたキョウフクマンは、ぽわ〜っと座っていた。
その日丁度キョウフクマンの兄が祭文の扈者に当たっていて、
賛者から祭文が来るのを待っているのだが、一向に来ない。
当たり前である。私が持って行かないからだ。
はははのは。
イラついた兄は、上段でなにやら私のほうに向かってジェスチャーを始めた。
その姿が私の目にはどう見ても、
クレイジーキャッツの谷啓さんのギャグ、
『ガチョ〜ン!』だった。
私は、「全く兄貴は何を考えているのだ、祭典中に、
上段で扈者の身でありながらふざけるとは!不謹慎だ!」
とか思いつつもう一人の賛者を見ると、
ススッとこっちによって来て、
耳元で「扈者は早く祭文持って来いって言っているんだよ!」と、ささやいた。
あ〜!ガチョーンは祭文を持つ仕草か!?
ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜!
私は真っ赤になって『ガチョ〜ン!』をし続ける兄の元へ、祭文を届けた。
兄の眼は怒りに燃えて赤く赤く充血していた。
私はただただ笑うしか無いのであった。
わはははは。
しかし私はキョウフクマン!こんな事ではめげないのだ!
ハ〜ッハッハッハッハッハッハッハッハッハ!
ごめんね、お兄ちゃん!
又会おう!